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今回は前回に引き続き、モルタル外壁の塗装についてお伝えしていきます。

モルタル外壁の塗装をする際には、

モルタルの特性や劣化状況に合わせて適した塗料を選ぶことが重要です。

塗料には、以下のような分類があります。

 

 

塗料の分類とモルタル外壁への影響　

 

塗料は、乾燥方法や成分によって様々な特徴を持ち

主に乾燥方法や成分によって分類されます。

モルタル外壁に適した塗料を選ぶためには、

それぞれの塗料のメリットとデメリットを理解することが重要です。

 

乾燥方法

乾燥方法による分類では、水性塗料と溶剤性塗料があります。

 

・水性塗料

水性塗料は、水を溶剤として使用する塗料で、

低臭性や低汚染性などの環境面でのメリットがあります。

しかし、水分が多いため乾燥に時間がかかり、

耐久性や耐候性が低いというデメリットもあります。

また、水分が蒸発する際に収縮するため、ひび割れや剥離の原因になることもあります。

モルタル外壁に水性塗料を使用する場合は、

乾燥時間を十分に確保し、定期的な塗り替えや補修を行う必要があります。

 

・溶剤性塗料

溶剤性塗料は、有機溶剤を使用する塗料で、

耐久性や耐候性などの性能面でのメリットがあります。

乾燥時間も短く、水性塗料よりも厚い塗膜を形成できるため、

ひび割れや剥離の防止にも有効です。

しかし、有機溶剤を使用するため臭気や揮発物質排出量(VOC)が高く、

環境面や健康面でのデメリットもあります。

また、有機溶剤が蒸発する際に収縮するため、

水性塗料よりもさらにひび割れや剥離のリスクが高まることもあります。

モルタル外壁に溶剤性塗料を使用する場合は、

換気や防護具などの安全対策を徹底し、

弾力性のある工法や補強材などを併用することが望ましいです。

 

 

成分による分類

成分による分類では、アクリル系塗料やシリコン系塗料などがあります。

 

・アクリル系塗料

アクリル系塗料は、アクリル樹脂を主成分とする塗料で、色彩豊かで光沢感があります。

水性と溶剤性の両方がありますが、

上述したようにそれぞれにメリットとデメリットがあります。

アクリル系塗料は、モルタル外壁に対してあまり弾力性がなく、

ひび割れや爆裂などの劣化を防ぐ効果は期待できません。

モルタル外壁にアクリル系塗料を使用する場合は、

美観重視の場合や頻繁な塗り替えが可能な場合に限られます。

 

・シリコン系塗料

シリコン系塗料は、シリコン樹脂を主成分とする塗料で、高い防水性や透湿性を持ちます。

水分を通さない一方で水蒸気は通すため、

モルタル外壁の内部に水分が溜まることを防ぎ、カビやコケの発生を抑えます。

また、シリコン系塗料は、アクリル系塗料よりも高い弾力性を持ち、

ひび割れや爆裂などの劣化を防ぐ効果もあります。

シリコン系塗料は、水性と溶剤性の両方がありますが、

水性の方が環境面でのメリットが大きいです。

モルタル外壁にシリコン系塗料を使用する場合は、

耐久性や防水性などの性能重視の場合や長期間の塗り替えが困難な場合に適しています。

 

 

 

弾性塗料と工法

 

弾性塗料とは、シリコン系塗料の一種で、

モルタル外壁に対して高い弾力性を発揮する塗料です。

弾性塗料は、モルタル外壁のひび割れや爆裂などの劣化を防ぐだけでなく、

既存のひび割れや爆裂を埋めることもできます。

弾性塗料は、通常の塗装よりも厚い塗膜を形成するため、

特殊な工法が必要です。弾性塗料の工法には、以下のような種類があります。

 

・スプレー工法

スプレー工法とは、弾性塗料を専用の機械で噴霧する工法です。

均一で厚い塗膜を形成できるため、高い防水性や耐久性が得られます。

しかし、機械の設置や操作には専門的な技術が必要であり、

作業時間や費用がかかるというデメリットがあります。

スプレー工法は、モルタル外壁の表面が平滑でなくても適用できるため、

凹凸や細かいひび割れが多い場合に有効です。

また、スプレー工法は、色ムラや筋跡が少なく、仕上がりの美観が高いというメリットもあります。

 

・ローラー工法

ローラー工法とは、弾性塗料をローラーで塗布する工法です。

スプレー工法に比べて機械の設置や操作が簡単であり、

作業時間や費用が抑えられるというメリットがあります。

しかし、ローラーで塗布すると塗膜の厚さが不均一になりやすく、

防水性や耐久性が低下するというデメリットがあります。

ローラー工法は、モルタル外壁の表面が平滑であれば適用できるため、

凹凸や細かいひび割れが少ない場合に有効です。

また、ローラー工法は、作業者の技量によって仕上がりの差が出やすく、

色ムラや筋跡が残りやすいというデメリットもあります。

 

・ブラシ工法

ブラシ工法とは、弾性塗料をブラシで塗布する工法です。

ローラー工法に比べてさらに機械の設置や操作が簡単であり、

作業時間や費用が抑えられるというメリットがあります。

しかし、ブラシで塗布すると塗膜の厚さが不均一になりやすく、

防水性や耐久性が低下するというデメリットがあります。

ブラシ工法は、モルタル外壁の表面が平滑であれば適用できるため、

凹凸や細かいひび割れが少ない場合に有効です。

また、ブラシ工法は、作業者の技量によって仕上がりの差が出やすく、

色ムラや筋跡だけでなく毛の塗料が残りやすいというデメリットもあります。

 

以上のように、弾性塗料と工法にはそれぞれメリットとデメリットがあります。

モルタル外壁に適した塗料と工法を選ぶためには、

外壁の状態や予算、仕上がりの希望などを考慮する必要があります。

弾性塗料は、モルタル外壁の劣化を防ぎ、美しく保つための有効な手段ですが、

専門的な知識や技術が必要です。

弾性塗料の塗装を検討している方は、

信頼できる塗装業者に相談してみましょう。

 

 

 

 

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